- スムーズに会社を辞めたい
- スムーズに転職したい
- 退職から転職までの一連の流れや手続きを知りたい
今回は以上のような悩みを持つ介護士さんに向けて、介護転職を6回経験し退職から転職までのスムーズな流れを熟知している筆者が分かりやすく解決していきます。
介護業界はブラック企業が多く「パワハラ上司が辞めさせてくれない…」「辞める時に有休を使わせてくれない…」などの事例が多いです。
それでは本題に入っていきます。
介護士の退職の手順5ステップと注意点
まずはじめに、介護士が退職する際の手順を解説していきます。ここでは退職のイメージがしやすいように5ステップに分けています。
退職時の注意点も合わせて解説することで、スムーズな退職につながるよう構成されているのでぜひ参考にしてみてください。
退職を伝えるベストなタイミングや、退職理由の事例などは以下の記事で詳しく解説しています。
【ステップ1】およそ3ヶ月前までに上司に退職を意思を伝える
まずは、退職の意思を上司に伝えることから始めます。会社を辞める場合は、最初に必要なアクションです。
3ヶ月前である理由は?
- あなたが余裕を持って転職活動をするため
- 会社の採用に対する配慮(円満退職につながる)
急に辞めなきゃいけない、会社に行くのが辛くて今すぐにでも辞めたい場合を除いては、3ヶ月くらい前に退職を意思を伝えることで、その後の手続きや転職活動がスムーズに進みます。
できれば退職の意思を伝える前に、転職先の内定を貰っておくと良いでしょう。そうすることで退職の意思が揺らぐことを防ぎ、気持ちの面でもスムーズに退職手続きに進むことができます。
退職の意思を伝える時点で転職先から内定を貰って言う場合でも、転職先を明かしてはいけません。中には意地が悪い人間もいて、あなたの悪い情報を転職先に伝えて故意に評価を下げたり、内定を取り下げるように働きかける人がいる可能性もあります。
万が一退職の意思を伝えて上司から引き止めにあった場合は、一貫して退職の意思を貫きましょう。詳しくは以下の記事が参考になります。
【ステップ2】退職日の相談や引き継ぎ業務など
退職の意思を伝えたら、次は具体的な退職日を決めたり引き継ぎ業務の確認をしましょう。介護士の場合は以下のような引き継ぎ業務があります。
- 委員会業務(事故対策委員会やレク担当など)
- 担当利用者さんの情報や支援方法
- リーダー職であればリーダー業務を次の方に教える
私は以上のこと以外に、新人教育担当と認知症対応リーダーをしていたので、書面で分かりやすくまとめて引き継ぎ相手に会うたびに色々伝えました。
有休も含めた最終日が退職日になります。できる限り退職日の翌日が転職先の初出勤日になるよう調整しましょう。なぜなら、退職日と転職先の初出勤日の間にブランクがあると、健康保険や国民年金などの手続きが必要になりちょっとした手間なので避けたいところです。
【ステップ3】同僚や関係機関などの挨拶(利用者さんには辞めることを言うべき?)
同僚や関係機関(居宅のケアマネや提携医療機関の医師など)には、余裕を持って少しずつ挨拶しておきましょう。そこまで関わりがない人でも、感謝の気持ちを伝えることで気持ちよく転職することができます。
さらには、そういった挨拶をすることで退職する職場の人たちから良いイメージを持ってもらえます。介護業界は狭い世界です。同じ地域の施設に転職する場合は、再び一緒に仕事する可能性もあります。
では「利用者さんには挨拶するべき?」と言うことですが、私の個人の意見は挨拶なしでいいと思います。なぜなら、多くの利用者さんは認知症などの疾患があり、自分のことを覚えてないからです。
しかし、以下のような理由で利用者さんに挨拶したほうがいい場合もあります。
- 特定の利用者さんと信頼関係が築けている場合
- 施設として退職時の挨拶を大切にしている場合
- 自分が挨拶をしたいと望む場合(上司と相談の上で実行)
【ステップ4】退職当日の貸与品の返却や書類の引き取り
退職日当日までに返却できる貸与品や、必要書類の提出は済ませておきましょう。
▽介護士の返却が必要な貸与品は以下のとおり。
- 制服
- 社員証
- 健康保険証
- 会社管理のスマホ
- マニュアル類や利用者さんの情報など
制服は、最終出勤日の後にクリーニングをして返却します。会社のマニュアルは利用者さんの情報などは誤って持ち帰らないように注意しましょう。個人情報保護の観点から、後で問題になる可能性があります。
▽退職日までに提出が必要な書類は、以下のようなものがあります。
- 退職届
- 有休の申請書類
- 退職金の申請書類
- 新しい住所(引っ越しする場合)など
【ステップ5】退職後もやることはあります
退職した後もやることはあります。まず以下のような書類を前職の職場から受け取ります。
- 離職証明書(転職先が決まっていない場合)
- 雇用保険被保険証
- 年金手帳(会社に提出している場合)
- 源泉徴収票 など。
退職後しばらく働く予定がない方は、離職証明書は必ず受け取りましょう。なぜなら、失業保険を受給するために必要な書類だからです。
雇用保険被保険証は転職先に提出必要があるので、受け取ってない場合は前職の人事部に必ず問い合わせましょう。紛失した場合は最寄りのハローワークで再発行が可能ですが、被保険者番号が必要で、前職に問い合わせたりといった手間がかかるので無くさないよう注意してください。
どうしても辞めさせてくれない場合の最終手段
退職をOKしないという行為はパワハラであり、してはいけない行為です。しかし辞めないように仕向ける上司や会社は少なからずいるでしょう。
どうしても辞めたいけど、もう会社に行きたくない…、今すぐ辞めたいって人は、以下の記事を読めば会社に行かなくても翌日に辞めることができます。(最短で1時間での退職実績あり)
介護士の転職の手順5ステップと注意点
続いて、介護士の転職の手順を5ステップに分けて解説します。退職手順と同様に注意点や必要書類なども紹介していて、実践で活かせる内容になっています。
【ステップ1】自分の希望条件を整理する
転職活動を始める前に、まずはあなたの希望条件の優先度を整理しましょう。転職先に求める条件の例としては、以下のようなものがあります。
- 給料面(賞与や昇給、退職金の有無など)
- 通勤時間(駅から近い、車通勤可能など)
- 働く時間(夜勤の有無や土日休みなど)
- 働きやすさ(人間関係が良い)
- キャリアアップがしやすい(運営施設が豊富で管理職になりやすいなど)
先にお伝えしておくと、全てが良い施設はほぼないと思ってください。その中で、あなたがどの部分を重視して転職するのかを転職活動をする前に整理することが大事です。転職の目的の明確化は、転職を成功させるための必須事項です。
介護士さんの収入アップの転職方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
【ステップ2】求人を探す(3パターンあり)
希望条件が把握できたら、次は求人探しに移ります。こちらは3パターンの方法があります。
- 自分でネットで探す
- ハローワークに行く
- 転職エージェントを利用する
自分で探す場合は、一つ一つ求人情報を細かく見れて色々楽しめます。また色々な求人を見ることで企業同士を比較することができ、より自分の希望条件が明確になっていく効果も期待できます。
自分で探す場合のおすすめの転職サイトは以下の3つです。
転職エージェントの利用メリットに関しては、以下の記事の「転職エージェントの利用」で分かりやすく簡潔に解説しています。
【ステップ3】施設見学&面接をする
求人への応募が済んだら、次は面接です。面接をする際は必ず施設見学もしましょう。なぜなら施設の環境や働く職員、利用者さんの様子からその施設の現状が把握できるから。
施設見学の際に観察するポイントは以下の7点です。
- 職員が笑顔で挨拶しているか
- 利用者さんが眠ったまま起こされていないか
- 利用者さんへの口調は丁寧か
- 照明は暗くないか
- 施設内の清掃は行き届いているか
- 整理整頓はできているか
- 匂い管理はできているか(臭くないか)
実際に施設の様子を見ることで、求人情報からは得られない情報を知ることができます。
面接については、以下の記事で「介護士の面接に合格するためのポイント」をまとめたので、参考にしてみてください。
【ステップ4】無事に内定を貰ったら必要なものを準備する
無事に面接に合格し、いざ入社となれば転職先での手続きが必要です。以下、転職時に必須の提出書類です。
- 年金手帳
- 源泉徴収票(前の職場から受け取れます)
- 雇用保険被保険者証(前の職場から受け取れます)
- 給与振込先届出書(口座を指定する会社もあります)
- 健康保険被扶養者異動届
- 扶養控除等申告書
また、以下の書類は必要に応じて提出するので、前持って準備できるものは揃えておくと後が楽です。
- 介護福祉士などの資格証明書
- 大学や専門学校の卒業証明書
- 健康診断書
- 身元保証書
- 通勤経路情報
- 入社誓約書 など。
【ステップ5】入社日や初月の希望休などを確認しておく
転職が決まったら出勤初日の時間や、初月の希望休は転職先としっかり確認しておきましょう。希望休については会社側から聞いてくる場合もありますが、こちらから早めに伝えて相手の手間を省く配慮があると始めの印象が良くなります。
また初日の持ち物や提出書類は確実に確認しておくのが大事です。なぜなら人事からすると入社時の書類が早めに揃えば、その分仕事も早く進められますし、その後の健康保険証の発行や銀行口座の手続きなどがスムーズに行えます。
待つというスタンスではなく、こちらから積極的に指示を仰ぎ進めていくことで、最初の段階で転職先から信頼を得ることができます。
介護士の転職にベストな時期は?
転職にベストな時期は求人が多くなるという理由から、以下の3パターンです。
- 4月
- 10月
- 1月
それぞれの理由を解説していきます。
求人数が最も多いのが4月前後
介護業界に限らず、多くの企業は年度末の3月に退職者が増える傾向にあります。そのため、4月前後は求人数が増加します。この時期に狙い目なのが、以下のような施設の求人です。
- ホワイトな環境で普段は人手が潤っているが、たまたま3月末のタイミングで退職者が続出した施設
- 新たな給与形態となり、既存の職員よりも高めの給与設定で募集をかけている施設など
後者は介護業界では結構あるあるで、私自身6回中2回の転職で、既存の職員よりも高めの基本給で、ここだけの話ですが10万円弱の差があり、既存の職員さんに本当の給与を言いにくかった経験があります。(自慢でもなんでもなく事実です。)
基本給が高くなった要因は、以下のような転職サイトに登録しエージェントに給与交渉を依頼したからです。
ボーナス支給後の10月と1月も狙い目
4月に次いで多くの求人が出る時期が、ボーナス支給後の10月と1月です。これはお分かりだと思いますが、ボーナスを貰ってから辞めようと思う人が多いから。この時期の求人には注目ですね。
前職場から夏と冬でボーナスを貰ってから辞めることを想定し、10月または1月に転職するという選択肢を持っておくといいでしょう。
よくある噂として辞める人にはボーナスは支給しないというのは違法ですので心配いりません。なぜなら7月のボーナスは1月から6月の仕事に対する対価で、12月のボーナスは8月から11月の仕事に対する対価だからです。そしてたとえ有休消化中でも会社に在籍している場合は、ボーナスの支給対象なので貰えます。
1月から転職活動を始めて4月入社がベスト!
私は今の職場は、1月末から転職活動を始めて4月始めからの入社でした。実際にこのスケジュールで転職活動して良かった点は以下の通りです。
- 3ヶ月間で余裕を持って転職活動できる
- 求人数が多くなる時期で比較しやすかった
- 退職者が続出するため給与交渉がしやすい
- 管理職候補という形で好条件で転職できた
- 3月はほぼ有休消化で家族と春休みを満喫できたこと など。
また12月のボーナスも貰っており、3月は有休消化ということがあらかじめ分かっていたので、身体的にも精神的にも余裕を持った状態で転職活動を進めることができました。
介護職の転職時期については、以下の記事でも解説しています。
まとめ
今回は、介護士さんの退職から転職までの手順を解説してきました。ボーナスや有休はもれなく貰い、効率的に転職することを心がけるといいでしょう。
以下、本記事のまとめです。
- 退職は退職日の3ヶ月前に伝え余裕を持った転職活動をする
- 退職も転職も手続きや必要書類が多いことを心得ておく
- 転職時の希望条件を自分の中で整理しておく
- 転職活動は転職サイトも効果的に活用すると良い
- 1月に転職活動をスタートして4月入社がおすすめ
余裕ある退職で円満退職し時間をかけて転職活動をすることで、転職先を比較できるので良い職場に出会える確率が上がります。
本記事を読んだ方々が、限りなく理想に近い転職先に出会えることを心から願っています。