- 介護士に興味があって働きたいと思ってるけど…
- 色々施設があるけど自分に合った施設を知りたい
- 失敗しない転職方法が知りたい!
介護職の転職先は社会福祉法人や株式会社、特養やグループホームなど、運営元や施設形態が豊富でどこで働くか悩む人が多いです。
私も15年以上介護経験があり、その間に6回の転職をしました。そしてその中で色々な施設の面接を受け、時にはブラック?と言われる施設でも働きました。
今回の記事では、介護士さんの転職先の選び方と失敗しない転職方法を解説します。
この記事を読めば「あなたが理想とする職場探しの参考になり、失敗しない転職の手順」が分かります。
介護士は転職先の選び方が重要な理由
介護士は転職先の選び方がとても重要です。なぜなら、介護業界は多くの企業が色々な施設を運営しており、その分ブラックと言われる介護施設も多くあるからです。
ブラックと言われる介護施設の特徴は、以下のようなものになります。
- 給料が明らかに低い
- 残業代が出ない
- パワハラや虐待がある
などです。
介護士さんが転職する際に、絶対にやったほうがいいことは、以下の記事で詳しく解説しています。
介護士が転職先を選ぶ際のポイント
ここでは、介護士が転職先を選ぶ際のポイントを解説します。
介護士が転職先を選ぶ際は、なんとなく選んではいけません。いざ入社したら思ってたのと違ったという事例は多くあります。
数ヶ月かかってもいいので時間をかけながら余裕を持って転職活動をしましょう。妥協して急いで転職するよりも、自分が納得した上で転職することが大切です。
気になる職場はまずリサーチから
まずは気になる職場の以下の点をチェックしておきましょう。
- 企業理念
- 給与形態
- 福利厚生
- 職場までの通勤手段
- 口コミ(あれば)
企業理念や福利厚生などは、ホームページを見れば確認できます。記載がない場合は、面接の時に聞かなきゃいけませんが、ホームページ上に載せてない時点で「あまりアピールしたくない(魅力がない)」と自覚している場合があります。
通勤手段も事前に確認しておきましょう。どんなに待遇が良くても交通の便が悪く、しかも車通勤ができないとなると、通勤だけで疲れるかもしれません。
企業の口コミに関しては「転職会議」というサイトに載ってる場合があるので、一度チェックして見るのもいいでしょう。ただ、口コミは事実な異なる部分もあるので、あくまで参考程度に留めておくのが無難です。
あなたがその職場で働くメリットは?
あなたがその職場で働くメリットは整理しておきましょう。例えば以下のようなこと。
- 給料が良い
- 家から近く通勤が楽
- 未経験からでも働きやすい教育環境
- 資格取得支援制度が充実している
- キャリアアップがしやすい環境
これらメリットを考えることは、その職場で働く際のモチベーションになります。さらに、メリットが明確にすることは、デメリットを受け入れることに繋がります。
あなたと企業は対等な立場であることを認識する
転職活動をする際に認識しておいてほしいことがあります。それは…
「あなたと企業は対等な立場である」ということ。
なぜなら、働かせていただくという考えだと、相手の希望条件ばかりを受け入れて、自分の希望を伝えにくくなるからです。面接は会社があなたを評価すると同時に、あなたが会社を評価する場でもあります。
採用の合格の決定権はもちろん会社にあります。しかし、最終的にその職場で働くのを決めるのはあなたです。上から目線ではなく、だからと言って下手になりすぎず、しっかりと自分が働くかもしれない会社の見極め理想の職場に転職しましょう。
基本的な介護技術を身につけたい人におすすめの転職先
介護未経験であれば、まずは基本的な介護技術を身に付けたいと思う人が多いのではないでしょうか。
ここでは私が実際に働いて感じた、介護技術が身に付きやすい施設を2つご紹介します。
従来型の特養(特別養護老人ホーム)
従来型の特養は、4人一部屋のような複数人が同じ部屋で生活する入居型の施設です。分かりやすい例えだと、病院のような作りになっています。
従来型の特養だと、介護技術が身に付きやすい理由は以下の通りです。
- 介助する人数が多い
- 幅広い介護度の方を介助する(要介護3〜特養へ入居可能)
- 先輩職員も介護経験が豊富な方が多い
従来型の特養だと、排泄、食事、入浴、移乗、更衣といった基本的な介助を何度も繰り返す毎日です。 量より質のごとく、たくさんの介助をすることで自然にスキルもアップします。
あとは先輩たちの介助の素早さが凄まじい。しかも早いだけでなく丁寧なんですよ。従来型の特養で基本的な介護技術を経験すれば、他の施設に行っても余裕でやっていけます。
介護付き有料老人ホーム
続いて有料老人ホームです。こちらは自立の方や要支援の方などもいるのですが、私の経験した2つの有料老人ホームは、要介護度も特養とほとんど変わらず(平均3.7オーバー)とにかく介護技術が鍛えられました。
さらに有料老人ホームの場合だと、特養よりも接遇面に力を入れているところが多く、介護をサービス業として捉えて働きたい方には勉強になります。
ただ特養と違って自立や要支援の状態でも入居できるので、施設によっては介助する機会が少ないところもあるでしょう。詳しい情報が知りたいときは施設に問い合わせてみたり、エージェントに依頼して聞いてもらうなどの対応があります。
夜勤をしたくない場合のおすすめの転職先
介護職で正社員になるには、夜勤をできることが条件である場合があります。しかし、体調面や家庭の事情で、どうしても夜勤ができないこともあるでしょう。そういった場合は、そもそも夜勤がない施設や働き方を選ぶことをおすすめします。
それでは夜勤のない施設と働き方の一例を紹介します。
デイサービス
デイサービスは通いの介護サービスで、日中のみ介護を提供する施設です。
デイサービスの特徴は以下の通り。
- サービス提供時間は9時〜17時といった朝食後から夕食前までが多い。
- 日曜やお盆、正月などが休みになる
- 送迎業務がある(車の運転をします)
- レクリエーションが豊富
- 入浴介助と食事提供が主な仕事
夜勤がなく日曜日が休みの施設が多いので、小さいお子さんを持った女性の方や、夜勤が苦手な方には向いていると言えます。
日勤だけで効率良く稼ぐなら派遣もあり
夜勤が難しい場合は、特養や有料老人ホームのような入居型施設で派遣として働くという選択肢もあります。派遣であれば、日勤だけで時間や曜日も指定しやすいので、あなたに合った働き方ができます。
正社員とパートと派遣の違いを表にしたので、参考にしてみてください。
正社員 | パート | 派遣 | |
働き方の自由度 | △ (基本選べない) |
△ (基本選べない) |
◯ (派遣先を選べる) |
給与面の安定 | ◯ | × | △ |
ボーナスの支給 | ◯ | × | × |
福利厚生 | ◯ | △ | △ |
雇用の安定 | ◯ (雇用期間の定めなし) |
△ | × (3ヶ月ごとの更新で最長は3年) |
残業の有無 | △ (残業に応じる必要あり) |
△ | ◯ (基本残業はなし) |
社会保険・厚生年金 | ◯ (基本的にあり) |
△ (条件付きで可能) |
△ (条件付きで可能) |
色々な場所で働く | × | × | ◯ |
有給休暇 | △ (取れない場合がある) |
△ | ◯ (自由に取りやすい) |
責任の度合い | × (仕事量の割に責任が重め) |
◯ | ◯ (間接雇用のメリット) |
派遣はパートよりも時給が高く、自分の希望通りの働き方がしやすいというメリットがあります。ただ正社員と比べると、ボーナスがない、雇用期間が短いというデメリットもあります。
それでも自由な働き方という面では、とても魅力的なので、興味のある方は一度介護派遣で働いてみるといいでしょう。ちなみに介護派遣で働きたいなら「レバウェル介護 派遣」を利用するとスムーズに良い職場が見つかります。
逆に夜勤だけがいいなら夜勤専従がおすすめ
中には効率よく稼ぎたいからという理由で、夜勤専従で働きたい方もいるでしょう。夜勤専従のメリットは以下の点です。
- 時給が高い
- 他の職員との関わりが少ない
- 入浴介助がない
- レクをしなくていい
- 利用者さんの状態によって時間に余裕が生まれる
などがあります。
私も半年ほど夜勤専従をした経験がありますが、やはり時給の高さは魅力的でした。具体的な金額は、基本時給が1,550円ほどで深夜手当や超過手当なども追加されて、夜勤1回で3万円ほど稼いでいました。
その時に利用したのが「かいご畑」です。
かいご畑については、以下の記事を参考に利用してみてください。
ゆっくり寄り添える介護がしたい人におすすめの転職先
バタバタした忙しい環境は苦手って人は、ゆっくり利用者さんとコミュニケーションが取れるような施設がいいでしょう。
ここでは、私が経験したゆったりな雰囲気の施設と、同僚が働いている他の部署の施設について紹介していきます。
グループホーム
まずは「グループホーム」です。
グループホームの特徴は次の通りです。
- 正式名称は「認知症対応型共同生活介護」
- 利用者さんは全員認知症
- 定員は1ユニット9名の最大2ユニット
- 利用者さんと一緒に料理や洗濯をすることもある
- 家庭的な雰囲気でゆっくりと時間が流れている
私自身も現在(2022年8月27日)グループホームで働いており、やはり特養や有料老人ホームなどの大型施設比べると、ゆっくりとした環境でサービスを提供できています。
ただ1ユニットの場合は夜勤1人体制なので、1人で夜勤するのが怖いと思う場合は、2ユニットあるグループホームを探してみましょう。
ユニット型の特養(特別養護老人ホーム)
ユニット型の特養はグループホームとよく似た環境です。10人程度で1ユニットずつに分けて、小規模な環境で自分らしく家庭的な暮らしをしましょうというのが、ユニット型のコンセプトとしてよくあるやつです。
私が経験したユニット型特養は、10人のユニットが9つあり、それぞれの利用者さんがそれぞれのユニットで生活していました。可能な限り本人さんが希望する時間に食事や入浴ができるように配慮したり、一人一人が好きなことをして過ごすことで、馴染みのある家庭的な生活を実現しています。
仕事について触れておくと、私が働いた施設は夜勤は入居者20人に対して1人だったので、日によってはキツいと感じることもありました。それでも従来型特養に比べると、かなり時間に余裕がありゆっくり過ごすことができました。
サービス付き高齢者住宅
いわゆる「サ高住」と言われる介護施設ですね。
こちらは一般型と介護型があり、介護型の場合は要介護度が重い方もいるため、施設によっては特養や有料老人ホームのような働き方になる場合もあります。
ただ多くのサ高住が一般型に分類されており、マンションのような作りで自立されている方も多いため、その場合は簡単なコール対応や夜間の見守り程度で済みます。
私の同僚がいるサ高住は、介護型で食事介助の時間は少し忙しいようですが、その他の時間は落ち着いており職員も余裕を持って仕事ができているようです。
同僚が働く施設は私の職場に併設されていて、たまに見に行きますが、職員が忙しそうにしている姿は一度も見たことがありません(笑)
キャリアアップを前提にしたおすすめの転職先
続いては「キャリアアップしたい人向け」におすすめの転職先を紹介していきます。ここでは施設形態ではなく、運営母体に注目して読んでいただけると参考になります。
大手の介護企業
介護の大手企業トップ3は以下の3社です。
- ニチイ学館
- SOMPOケア
- ベネッセスタイルケア
※参考:介護のみらいラボ
大手の介護企業のメリットは、キャリアの椅子が多くあること。上記の3社は全国に多くの介護施設を運営しており、それだけホーム長や副ホーム長といった管理職になりやすい環境と言えます。
また、現場以外にも人事部や教育部、最近ではICT部門などの部署も充実しているため、現場職以外の選択肢も広がります。
ただ大手だからこそ、良い噂もあれば悪い噂もあります。参考までに「転職会議」の口コミを確認してみるといいでしょう。大手なんで口コミ量も多く、その企業を知るきっかけにもなります。
地域の老舗法人
地域の老舗法人は、施設の数は大手企業に劣りますが、地域での信頼度や職員への利益還元などは目を見張るものがあります。
キャリアの選択肢も大手に比べたらたしかに少ないですが、確実にステップアップしていけば大手以上の待遇を受けることも可能です。
私は現在、この地域老舗法人で管理職をしていますが、かつていた大手の給料をはるかに超えました。その分求められることは簡単ではありません。それでも、頑張った分給料が上がるというのは大きなやりがいにつながっています。
介護のベンチャー企業
ベンチャー企業はこれから伸びていくことを考えると、勤続年数やスキルがなくてもキャリアアップを目指せる環境と言えます。
実際にベンチャー企業で働いたことはありませんが、私が以前面接を受けたベンチャー企業の内容は次の通り。
面接前は現場の介護職を希望していました。ただ面接時に希望年収を聞かれできれば500万以上欲しいですと伝えると(前職が480万だったので)、「幹部候補の面接を受けてみませんか?」と打診されました。初年度の年収提示額は650万〜でした。その額に惹かれて、その後の幹部面接を受けて無事に内定をもらうことができました。しかし、私はそこで働くことはありませんでした。理由は仕事内容でした。入社後3ヶ月は現場で介護職をしてもらい、会社の雰囲気が分かったら、その後は県外に行ってある地方都市で新規事業の立ち上げというハードワークでした。まぁハードワークは良かったのですが、単身赴任になり家族と離れるのがネックで、妻と相談しこのチャンスはあえて生かさないようにしました。
以上のような感じで、ベンチャーであれば私のような経験値の少ない介護士でも、一気に幹部までキャリアアップできるチャンスがあるということです。
ちなみにこの時に利用したのが「マイナビ介護職」でした。
マイナビ介護職については、以下の記事を読むとよく分かります。
失敗しない転職方法とは?
最後に「失敗しない転職方法」を紹介します。
全てが自分の思い通りにいく転職は難しいでしょう。ただ、少しでも失敗する確率を減らすことは可能です。
自分以外の力を借りながら、理想の転職先を選ぶヒントにしていきましょう。
自分で求人サイトから探す
まずは自分で行動することが大事です。あなたが理想とする転職先を自分自身で見つけてみましょう。
例えば、月収30万以上希望であれば「介護士 求人 30万 〇〇(あなたの住む地域名)」で検索すると、該当施設が検索結果に出てきます。中には、月収20万〜30万円のように給料の幅が広くあまり信頼できない求人もあります。
それでも自分で検索して自分の目で見ることで、一つ一つの企業や施設のことを知るきっかけになります。転職活動を始める際に、まずは自分からという思いを意識して行動してみてください。
以下、おすすめの介護求人サイトです。
知人に紹介してもらう
知人が働いている職場であれば、リアルな情報が手に入ります。しかも、多くの介護施設では「紹介制度」が利用でき、知人の紹介経由で転職すると紹介料をもらえる場合もあります。
実際に私も、以前の職場で紹介制度を利用して、知人の転職をサポートしました。概要は以下のとおりです。
- 私が知人の連絡先を紹介する
- 会社から知人に連絡する
- 面接をして採用される
- 入社して3ヶ月後に紹介料10万円もらえる
※紹介された知人も5万円もらえる
紹介される知人にとっては、入社めに実際に働いている私の給料がわかるだけでなく、職場の雰囲気やシフトの形態などもリアルタイムに把握できます。リスクや不安を減らした上で入社できるため、ストレスの少ない転職活動が可能です。
転職エージェントを利用する
介護の転職エージェントを利用するのも効果的です。
以下、より効果的に転職エージェントを使う際のポイントです。
- 複数同時に利用する
- 非公開求人をもらいやすくするために担当者と仲良くする
- 応募時は給与交渉をしてもらえるよう依頼する
- 希望する転職先の内部事情も聞いておく
- 面接には担当者が同行して自分をアピールしてもらう
複数登録する理由は、取り扱う案件が違ったり、担当者によって当たり外れがあるからです。転職エージェントを利用する際は2つ以上登録しましょう。
転職エージェントを使うと、転職活動での悩みの相談に乗ってくれメンタルケアもしてくれるので、はじめて介護職へ転職する人の不安を軽減してくれます。
当メディアのおすすめ転職エージェントは、以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
まとめ
今回は「介護士さんの転職先の選び方」をテーマに記事を書かせていただきました。
- まずは企業をしっかりリサーチする
- その職場で働くメリットを考える
- あなたと職場は対等な立場だと認識する
- 自分でリサーチすることから始める
- ハローワークに行って相談する
- 転職エージェントを効果的に利用する
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事を読んで、ぜひあなたの転職成功に活かしていただければ幸いです。