「あなたは、どんな介護士になりたいですか?」こんな風に面接で聞かれたら、あなたは何て答えますか?
本記事では、この「どんな介護士になりたいか?」という質問に対する模範解答をご紹介します。この質問に的確に答えることで面接の合格率もグッと上がるので、あなたの面接時の参考になれば幸いです。
ちなみに、介護士の面接でよく聞かれる質問21個と模範解答を、以下の記事でまとめてるので良かったらチェックしてみてください。
介護士の面接時の基本マナー
介護士の面接を受ける前に、以下の面接時の基本マナーを確認しておきましょう。
- 時間を守る
- 清潔感のある身だしなみ
- 笑顔で元気のいい挨拶
- 丁寧な言葉遣いを心がける
- 相手の目を見て適度に相槌を打つ
面接時間を守るのは基本です。ただあまり早すぎるのも相手に気を遣わせるため、具体的には早くても集合の15分前を目処に面接に行くといいでしょう。遅れる場合は、必ず電話で報告することも忘れないでください。
相手から見た身だしなみや話し方、姿勢や態度などにも気を配ることが大事です。見た目がすべてではないですが、第一印象が良いと「きちんと仕事をしてくれそう」というイメージを持たれやすくなります。
中身はもちろん大切ですが、第一印象は見た目がすべてだと思っておいたほうがいいでしょう。
介護士の面接時の身だしなみについては、以下の記事が参考になります。
どんな介護士になりたいか?の模範解答5つ
さっそく、「どんな介護士になりたいか?」に対する、パターン別の模範解答をご紹介して行きます。
未経験・無資格から介護士になる場合
家族である私でも気付かないような母の想いをを上手く汲み取って対応されており、介護士さんって素敵だなと思うようになりました。
その中で本気で介護士になろうと思った理由は、介護士さんの細かいホスピタリティに共感したからです。利用者様が幸せで充実した毎日を過ごせるように、心のこもった丁寧な支援ができる介護士になりたいと思っています。
介護系の学校を卒業して介護士になる場合
訪問介護のスタッフをやっている母から勧められたのが、きっかけで介護士になろうと決意しました。目指すのであれば、しっかりと技術や知識を身につけたいと思いました。
実際、介護や福祉の制度などは覚えることも多く大変ですが、やはり学んでよかったと思います。将来は『この人なら』と利用者の方から信頼されて介護を任せてもらえる介護福祉士を目指しています。
引用元:吉川福祉専門学校の生徒さん
異業種から介護士になる場合
また、飲食業に比べて、介護業界は将来性があり安定していることも介護士をめざすきっかけの一つです。利用者様に心から喜んでいただけるような介護サービスを提供できる、そんな介護士になれるよう日々努力して行きます。
介護経験者が中途採用される場合
リーダー職の経験も活かして、職員間のスムーズな連携のためにパイプ役となれるような介護士を目指します。また、思いを伝えられない利用者さんの気持ちを汲み取り、代弁できる介護士にもなりたいと考えています。
ブランク明けから介護士を再度頑張る場合
ブランクはありますが、その期間も新しい資格取得に向けて、認知症ケア専門士の勉強していました。もし採用となれば、利用者さんに寄り添い「誰よりも相手の気持ちを聴ける介護士」になりたいと思っています。
どんな介護士になりたいか?を答える際のポイント
続いて、「どんな介護士になりたいか?」という質問に答える際のポイントを解説します。
自分のエピソードを入れる
具体的なあなた自身のエピソードを入れることは非常に大切です。なぜなら、オリジナルのエピソードには説得力があり、何よりも相手の心を動かす効果が期待できるから。
「介護士は人の役に立つ仕事だから」のような誰でも答えられる内容は避けましょう。(世の中のほとんどの仕事は人の役に立つ仕事ですからね)実体験こそ、あなたの気持ちが相手にストレートに伝わります。
ちなみに、自分のエピソードを話す際のコツは以下の3つです。
- 具体的な数字を入れる
- 5W1Hで話す
- 理由を付け加える
具体的な数字を入れる
「ずっとサッカーをしていました」ではなく、「小中高と12年間サッカーをしていました」のように具体的な数字を入れましょう。
5W1Hで話す
「昨日ランニングをしました」ではなく、「私は昨日、仕事で必要な体力効果のために、ジムに行って1時間ランニングをしました」といった形がいいでしょう。
理由を付け加える
物事には理由が存在するものです。
「昨日映画を見て感動しました」ではなく、「昨日、最近話題になっている映画を見たのですが、主人公の生き方に大変共感し自分自身と重なる部部分があったので、とても感動しました」といったように、感動した理由を述べることで、相手により伝わりやすくなります。
キャリアプランを明確に
どんな介護士になりたいかという過程の中で、具体的なキャリアプランも含むといいでしょう。例えば、3年後に介護福祉士を取得し、さらに5年後にケアマネの資格を取得するといった感じです。
資格以外でいえば、相談員や管理職など目指している役職を伝えるのもありですね。採用する側も、キャリアプランが明確な人の方が向上心があり一緒に働きたいと思うものです。
自分の長所を理解する
あなたがなりたい介護士を目指す過程で、自分自身の長所を理解しておくことは重要です。
面接の場でも、「自分の強みは人の話をゆっくり聴けることなので、そこを活かして利用者さんに寄り添える介護士になりたい」といった感じで伝えるといいでしょう。
また、自分の長所を理解していることは、自己分析ができていることに繋がります。介護士として、自分を客観視できる能力があるというアピールにもなります。
自分自身の課題を把握する
こちらは自分の長所とは逆の短所です。あなたがなりたい介護士を目指す上で、今足りないものは何なのか?を明確に答えれるようにしておきましょう。
これは先ほどの長所の部分と同じく、自分自身を客観視する能力があることをアピールできます。また、課題を認識しているということは、向上心があることにも繋がります。
なぜ介護士になりたいのか?を言語化できる
「どんな介護士になりたいか?」ということ以前に、「なぜ介護士になりたいか?」ということも答えれるようにしておきましょう。
冒頭の模範解答の部分でも、「どんな介護士になりたいか?」ということ以前に、「そもそもなぜ介護士になろうと思ったのか?」という理由も話されています。あなたが介護士を目指そうと思ったきっかけは、採用する側も非常に重要視しているので、いつ聞かれても答えれるようにしておきましょう。
現場ではどんな介護士が求められている?
あなたが目指す介護士像も大切ですが、現場で求められる介護士像も存在します。
ここでは、現場の介護士に求められることをご紹介するので、あなたが目指す介護士像と照らし合わせてみてください。
小さな変化に気付ける観察力
利用者さんは、自分の体調不良を言葉で伝えることが難しい方もいます。そういった方々の仕草や言動など、普段と違う点を注意深く観察することで、いち早く体調変化に気づくことができます。
たとえ小さな変化が思い込みであっても、何かあって伝え忘れるよりかマシです。日頃から小さな変化に気付ける観察力を養い、こまめな情報共有を心がけましょう。
以下、利用者さんを観察する際のポイントです。
- 客観的事実を捉える(仮説を立てる)
- 個別ケアの視点を持つ
- 決めつけない
客観的事実を捉える(仮説を立てる)
例えば…
- Aさんの機嫌が悪くオムツ交換ができなかった→主観的事実
- Aさんがオムツ交換を嫌がった→客観的事実
機嫌が悪いという判断は、あくまで職員の判断であり主観です。
あとは「仮説を立てること」も重要です。
例えば…
- 目を合わせてくれない→「何か不安に思ってるのかな?」
- 声に普段より元気がない場合→「どこか体調が悪いのかな?」
- 俯いてばかりいる場合→「何か心配なことがあるのかな?」
といったような感じですね。
先ほどもお伝えしましたが、認知症の方は自分で思いを伝えられない方がほとんどです。上記のような仮説を立てることは、利用者を観察する上で非常に大切なポイントと言えます。
個別ケアの視点を持つ
利用者さんは一人一人違う人間であり、皆さんそれぞれの特徴があります。認知症の人と一括りにするのではなく、Aさん、Bさん、Cさんのように、個別ケアの視点を持ちましょう。
そうすることで、「Aさんは体調悪い時によくテーブルにうつ伏せている」といった一人一人の特性を理解した観察ができます。
決めつけない
観察力の妨げになるのが「決めつけ」です。例えば「Bさんはいつもあんな感じだから、特に気にする必要はない」といった感じで、決めつけてしまうと、その後の急変につながる可能性を潰してしまいます。
また、「Cさんは頑固だから」「Dさんは何言っても笑ってる人」のような先入観も、細かい観察の妨げになります。何も考えずただ見るのではなく、「見る・聞く・感じる」といったことを意識しながら、利用者さんの気持ちに寄り添う観察力を持つことが必要になってきます。
相手の思いを聴く傾聴力
利用者さんの多くは、自分の話を聞いてほしいと思っています。なぜなら施設での暮らしは基本孤独で、他の利用者さんがいても本当に心が許せる仲間ができることは稀です。
そこで、職員が利用者さんの一番の味方であることは、利用者さんの安心感に繋がります。自分のことを知ってもらうために、時々職員自身の話をすることは構いませんが、基本的には利用者さんの気持ちを聞き出しながら、話を聴くことを意識しましょう。
体調を保てる自己管理能力
介護の仕事は肉体労働であり、体力が必要な仕事です。そこで必要になるのが、自分自身の体調管理をする自己管理能力。
- 「いつもより疲れていると思ったら少し早く寝る」
- 「普段から食事管理に気を付ける」
- 「手洗い、うがい、消毒といった基本的な感染予防を徹底する」
当たり前のことを当たり前にできる介護士さんは、非常に貴重な存在です。定期的に、自分自身の自己管理能力を見直すことが大事ですね(私自身も気を付けます)
他人に対する誠実さ
他人というのは利用者さんだけでなく、一緒に働く同僚や上司も含みます。介護士は人を相手にする、対人援助サービスの仕事です。その介護士が、人に対して誠実でなければ良い介護なんて提供できるわけがありません。
どんなに経験や資格があっても、他人に対する誠実さが欠けていたら立派な介護士にはなれません。介護士である前に、1人の人間として、他人に対する誠実さを忘れないようにしましょう。
チームケアが実践できる協調性
介護の現場は、介護職だけでなく、看護師やリハビリ職、相談員など色々な職種の方が一緒に働いています。そこで大切なのが「多職種連携」というチームケアです。
先ほどの他人に対する誠実さとも繋がりますが、一緒に働く仲間を尊重し、まずは相手の意見を聞き入れる柔軟性が大切です。
いろいろな意見が飛び交う中で、頭ごなしに否定していても良い方向には向かいません。自分と考えが大きく違っても、まずは相手の意見を聞き理解することが、本当の意味での協調性を生むでしょう。
想定外の質問をされたときの対処法
介護の面接では、思いもよらない質問が飛んでくることもあります。想定外の質問に対して焦ってしまうと、応用がきかない人と思われてしまうかもしれません。
ここでは、想定外の質問をされたときの対処法を解説します。
相槌を打つ
想定外の質問に焦って答えてしまうと、思ってもないことを話してしまうかもしれません。まずは「そうですね」や「〇〇についてはですね」など、相槌を打ちながら冷静に回答を考るのもありです。
介護士としても沈黙してしまうと、相手に良い印象を与えないので、頷きながらもし難しい場合は「今すぐには思いつきませんが…」と言ったり、「申し訳ありません。適切な回答が見つかりません」と素直に答えるほうがいいでしょう。
一貫性のある回答をする
企業側が必ず何しかしらの意図があって質問をしています。そのため、これまでに回答した質問と一貫性を持たせることが大切です。
例えば、面接の中では「キャリアアップを目指している」と向上心を持って答えていたのに、別の質問に対しては自信がない態度が見えてしまうと、面接官も戸惑います。
もし回答に時間がかかったとしても、ブレずに一貫した思いや姿勢を見せることが大切です。
介護士の面接で合格するためのポイント【介護士の面接の教科書】
おすすめの介護の転職サイト
転職サイトを利用すると、面接同行などのサポートも受けることができ、質問対応で困ったときなどにフォローしてくれます。
私は実際にエージェントの方に同行していただき、自分の強みを代弁してくれたり、聞きにくい質問を面接後に私がいない場で聞いてくれたりしました。
ぜひ以下の記事を参考に、転職サイトも上手に利用してみてくださいね。(担当者の対応が良かったところをまとめています)
まとめ
今回は「どんな介護士になりたいか?」という質問に対する模範解答と、「現場で求められる介護士像」について解説してきました。この質問に対する答えは、面接の場面で使うことはもちろん、現場で働きながら常に自問自答することが大事なのではないかと、本記事を書いてて感じました。
介護士を始めた頃は、「利用者さんのために…」という思いがあっても、日が経ち慣れていくにつれて、初めにあったような気持ちは薄れていくものです。
本記事が「自分はどんな介護士になりたいか?」「どういった介護をしたいのか?」「利用者さんはどういった援助を求めているのか?」といったことを考えるきっかけになれば幸いです。
あなたの介護士ライフがより良いものになることを、心から祈っています。