20代は、介護業界への転職を目指しやすい年代です。未経験者向けの求人も多く、資格取得支援制度を利用できる職場も少なくありません。
一方で、「未経験でも大丈夫?」「給料はどうなる?」「長く働ける職場を選べる?」など、不安を感じる方もいるでしょう。
本記事では、20代で介護職へ転職するメリット・注意点から、おすすめの転職先や成功のポイントまで詳しく解説します。
20代が介護職への転職に向いている理由
20代は、介護業界への転職を目指しやすい年代です。未経験から挑戦しやすく、将来的なキャリアアップも見据えながら働けます。
ここでは、20代が介護職への転職に向いている主な理由を紹介します。
若さや将来性が評価されやすい
介護業界では、人材の高齢化が進んでおり、20代の若い人材は将来を担う存在として期待されています。介護労働安定センターの調査でも、20代の介護職は全体の1割ほどと若い世代が少ないことが明らかになっています。
20代は長く働きながら経験を積めることが評価されやすく、未経験でも育成を前提に採用されるケースが少なくありません。将来的に介護福祉士やケアマネジャー、管理職などへのキャリアアップも期待できるため、年齢そのものが転職時の強みになるでしょう。
参考:公益財団法人 介護労働安定センター「令和5年度 介護労働実態調査結果について」
未経験歓迎の求人が豊富にある
介護業界は人材不足が続いており、未経験者を積極的に採用する求人が多くあります。資格がなくても応募できる職場や、働きながら資格取得を支援してくれる施設も少なくありません。
介護の知識や技術は入職後に身につけられるため、異業種から転職した20代も多く活躍しています。経験がないことを過度に心配する必要はないでしょう。
将来を見据えてキャリアを築きやすい
20代から介護業界で経験を積めば、介護福祉士やケアマネジャーなどの資格取得を、若いうちから目指しやすくなります。現場経験を重ねることでリーダーや管理職へのキャリアアップも期待でき、長期的な働き方を実現しやすい点も魅力です。
早い段階から介護職の経験を積むことで、自分に合った働き方や専門分野を見つけやすくなるでしょう。
20代で介護職へ転職するときの注意点
20代は介護職へ転職しやすい年代ですが、職場選びを間違えると早期離職につながる可能性があります。
長く働ける職場を見つけるためにも、ここで紹介する転職前に確認しておきたいポイントを確認しておきましょう。
初めて介護職を目指す方には、以下の転職先の選び方が役立ちます。具体的な方法をわかりやすくまとめているので、ぜひ参考にしてください。
給与だけで職場を選ばない
給与が高い職場は魅力的ですが、給与だけを基準に転職先を選ぶのはおすすめできません。夜勤回数が多い、残業が多い、人員配置に余裕がないなど、高給与には理由がある場合もあります。
求人票だけでは分からない職場環境もあるため、福利厚生や離職率、教育制度なども含めて総合的に判断することが大切です。長く働ける職場かどうかという視点で比較しましょう。
教育体制が整っている職場を選ぶ
20代で未経験から介護職へ転職する場合は、教育体制が充実している職場を選ぶことが重要です。入職後の研修やOJT、資格取得支援制度が整っていれば、安心して仕事を覚えられます。
未経験者の場合は、すぐに現場へ入る職場よりも、先輩職員が丁寧に指導してくれる施設のほうが挫折しにくく仕事を始めやすいでしょう。求人票だけで判断せず、面接や職場見学で教育体制を確認することも大切です。
夜勤やシフト勤務について理解しておく
介護職の多くは、早番・日勤・遅番・夜勤などのシフト勤務があります。また、施設によって勤務形態や夜勤回数も異なるため、転職前に確認しておくことが大切です。
とくに、夜勤は生活リズムが乱れやすいため、自分に合う働き方かどうかを考えておきましょう。夜勤の有無や回数だけでなく、夜勤時の職員配置や休憩時間なども確認すると安心です。
自分に合った介護サービス・施設形態を選ぶ
介護職と一口にいっても、特別養護老人ホーム・デイサービス・訪問介護・小規模多機能型居宅介護など、サービスや施設形態ごとに仕事内容は異なります。
利用者とじっくり関わりたい人もいれば、日勤中心で働きたい、夜勤がしたいといった人もいるでしょう。給与や勤務地だけでなく、自分がどのような介護をしたいのかを考えたうえで職場を選ぶことが、転職後のミスマッチを防げます。
20代におすすめの介護職の転職先
介護職にはさまざまなサービス形態があり、仕事内容や働き方、身につくスキルは異なります。20代のうちに自分に合った職場を選ぶことは、昇格や給与アップなど、その後のキャリア形成にも役立つでしょう。
ここでは、20代におすすめの介護職の転職先を紹介します。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホーム(特養)は、要介護度の高い高齢者が生活する介護施設です。食事や入浴、排泄介助など介護業務全般を経験できるため、介護職として幅広い知識や技術を身につけたい20代に向いています。
夜勤はありますが、その分さまざまな利用者への臨機応変な対応力が身につき、介護福祉士などの資格取得を目指す際にも実務経験を積みやすい環境です。介護職として基礎をしっかり学びたい方におすすめできます。
以下の記事では、特養へ転職した私の体験談を紹介しています。
有料老人ホーム
有料老人ホームは、比較的自立した方から介護が必要な方まで、施設によって入居者の状態が異なります。介護だけでなく、生活支援やレクリエーションなどにも携わる機会が多く、利用者とのコミュニケーションを大切にしたい方におすすめです。
設備が充実している施設も多く、教育制度や福利厚生が整っているケースも少なくありません。未経験者を積極的に採用している施設も多いため、20代でも挑戦しやすい転職先です。
私が働いた有料老人ホームは、接遇レベルが高くホテルライクを強みにしていたため、おもてなしスキルが向上しました。
有料老人ホームへの転職経験について、詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
デイサービス
デイサービスは、日帰りで利用者へ介護や機能訓練、レクリエーションなどを提供する施設です。夜勤がなく、日勤中心で働けるため、生活リズムを整えながら働きたい20代に向いています。基本日曜日や年末年始休みのところが多い印象です(土曜は出勤あり)
また、利用者と会話を楽しむ機会が多く、コミュニケーション能力を活かしたい方にもおすすめです。介護技術だけでなく、イベントの企画やレクリエーションの運営など、幅広い経験を積めることも魅力といえるでしょう。
小規模多機能型居宅介護
小規模多機能型居宅介護は、「通い」「訪問」「泊まり」の3つのサービスを1つの事業所で提供します。そのため、施設介護と訪問介護の両方を経験でき、介護職として幅広いスキルを身につけたい20代におすすめです。
利用者一人ひとりと長く関わることができるため、信頼関係を築きやすい点も魅力です。将来的にさまざまな介護サービスで活躍したい方に適した職場といえるでしょう。
私も2年ほど看護小規模多機能型で働いた経験があります。複数のサービスを提供するのは大変でしたが、施設と居宅それぞれのメリットやデメリットを実感でき、その後の介護職のキャリアに役立っています。
なお、小規模多機能型居宅介護は泊まりの利用者が少ない(最大でも9名)なので、正直楽でした(事業所により異なるので、必ずしも楽ではない可能性はある)
訪問介護
訪問介護は、利用者の自宅を訪問し、身体介護や生活援助を行う仕事です。一人で利用者宅を訪問するため責任は伴いますが、一人ひとりに寄り添った介護を実践できます。比較的自由度の高い働き方ができる事業所も多く、利用者とじっくり関わりたい方に向いています。
ただし、未経験者の場合は教育体制が整っている事業所を選ぶことが重要です。同行訪問や研修制度の有無を確認してから転職すると安心でしょう。
20代で介護職への転職を成功させるポイント
20代は介護職への転職に有利な年代ですが、転職先の選び方によってその後の働きやすさやキャリアは変わってくるでしょう。
後悔しない転職を実現するために、事前に押さえておきたいポイントを紹介します。
転職理由を明確にする
転職を成功させるためには、「なぜ介護職へ転職したいのか」「転職して何を実現したいのか」を明確にすることが大切です。「給与を上げたい」「資格を取得したい」「利用者と深く関わる仕事がしたい」など、自分の目的を整理しておけば、職場選びの軸がぶれにくくなります。
また、面接では転職理由を聞かれることが多いため、前向きな理由を伝えられるよう準備しておきましょう。
介護職の面接について、詳しくは以下の記事にまとめているので参考にしてください。
職場見学を積極的に活用する
求人票だけでは、実際の職場の雰囲気や人間関係、利用者の様子までは分かりません。そのため、気になる職場があれば積極的に職場見学を申し込みましょう。
職員同士のコミュニケーションや利用者への接し方、施設の清潔感などを自分の目で確認することで、入職後のミスマッチを防ぎやすくなります。気になることがあれば、その場で質問して疑問を解消しておくことも大切です。
転職活動で後悔しないためのポイントについて、詳しくは以下の記事も参考にしてください。
資格取得支援制度を確認する
20代は、介護職として長期的なキャリアを築きやすい年代です。そのため、資格取得支援制度が充実している職場を選ぶと、将来のキャリアアップにつながります。
初任者研修や実務者研修の受講費用を補助してくれる施設や、介護福祉士の受験対策を行っている職場もあります。資格を取得すれば仕事の幅が広がるだけでなく、資格手当による収入アップも期待できるでしょう。
資格を取ることで、確実に給与アップを図れる点は介護職の魅力と言えます。資格手当について、詳しくは以下の記事で解説しています。
転職エージェントを活用する
介護職へ転職する際は、転職エージェントを活用するのも有効です。一般公開されていない求人を紹介してもらえるほか、給与や勤務条件の交渉、面接対策などのサポートも受けられます。
また、職場の雰囲気や離職率など、求人票だけでは分からない情報を教えてもらえることもあります。複数の転職エージェントを利用しながら比較することで、自分に合った職場を見つけやすくなるでしょう。
転職エージェントの効果的な利用方法については、以下の記事にまとめているので合わせてご覧ください。
20代で介護職へ転職する際によくある質問
最後に、20代で介護職への転職を考えている方からよく寄せられる質問に回答します。転職前の疑問や不安を解消し、自分に合った職場選びの参考にしてください。
20代未経験でも介護職に転職できる?
無資格でも働き始められる?
無資格から働き始められる職場はあります。ただし、介護に直接携わる無資格者は、原則として認知症介護基礎研修を受講する必要があります(新規入職者には一定の猶予期間があります)。
また、多くの施設では初任者研修や実務者研修の資格取得支援制度を設けているため、働きながらスキルアップを目指すことも可能です。なお、訪問介護では初任者研修以上の資格が必要です。
20代で介護職に転職すると年収はどのくらい?
年収は勤務先や地域、保有資格、夜勤の有無によって異なります。未経験の場合は比較的低めのスタートになることがありますが、資格取得や経験を積むことで収入アップを目指せます。夜勤を担当すると夜勤手当が加算されるため、年収が上がるケースも少なくありません。
年代別による平均給与の詳しいデータはありませんが、厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、勤続年数1年目の介護職員の平均月給は「265,970円」でした。手取りにすると、20万円を少し超える程度で、年収は「3,191,640円」になります。
介護職は将来性がある?
介護職は今後も需要が見込まれる仕事です。高齢化の進展に伴い介護サービスの必要性は高まっており、人材確保は業界全体の課題となっています。
厚生労働省の「介護人材確保の現状について」によると、2040年度には約272万人の介護職員が必要となり、2022年度と比べて約57万人の介護職員を新たに確保する必要があると推計されています。今後も介護人材の需要は高い状態が続くと考えられるでしょう。
また、介護福祉士やケアマネジャーなどへキャリアアップできるため、長期的なキャリアを築きやすい職種と言えます。
まとめ
20代は、未経験からでも介護職へ挑戦しやすい年代です。若さや吸収力を活かしながら経験を積めば、介護福祉士やケアマネジャーなどへのキャリアアップも目指せます。
転職を成功させるためには、給与だけでなく教育体制や職場環境も確認し、自分に合った施設を選ぶことが大切です。転職サービスも活用しながら、将来を見据えた職場選びを進めましょう。

