働き方

介護記録はAIで効率化できる?活用方法・事例・注意点を介護福祉士が解説

介護現場では、利用者さんへのケアだけでなく、介護記録にも多くの時間がかかります。私自身も介護職として働くなかで、業務の合間や勤務終了間際にまとめて記録することも少なくありませんでした。

職員一人ひとりの記録時間を短縮できれば、現場の負担軽減はもちろん、施設全体の業務効率化にもつながります。そこで注目したいのがAIです。

この記事では、介護福祉士として現場で働く私が、介護記録にAIをどう活用できるのか・実際にどのくらい時短できるのかを検証しながら、導入する際の注意点まで解説します。

目次
  1. 介護記録にAIを活用すると何ができる?
  2. 介護記録にAIを活用するメリット
  3. 【介護職の実体験】介護記録にAIを使うとどこまで時短できる?
  4. 介護記録にAIを活用する具体的な方法
  5. 介護記録にAIを安全に活用・定着させるポイント
  6. 介護記録の効率化には職員のAIスキル向上も重要
  7. まとめ|AIを活用して介護記録の負担を減らそう
  8. 執筆者・監修者のshima(津島武志)について

介護記録にAIを活用すると何ができる?

AIは、介護記録そのものを完全に任せるものではなく、記録の作成や整理をサポートしてもらうツールとして活用できます。

まずは、介護記録にAIを取り入れることで具体的に何ができるのか、代表的な活用方法を紹介します。

介護記録の文章を作成する

AIを活用すると、介護職が入力した情報をもとに、介護記録の文章を作成できます。

たとえば「昼食8割摂取・むせ込みなし・食後にトイレ誘導・排尿あり」といった事実を入力し、「介護記録として文章にしてください」と指示する方法です。

AIが文章のたたき台を作ってくれるため、一から文章を考えたり入力したりする時間を減らせます。とくに、記録を書くのが苦手な職員にとっては大きな味方になるでしょう。

ただし、誤った情報が共有されないよう、実際に支援した職員がAIの文章と実際の状況を照らし合わせてください。

長い記録を要約する

AIは、長い文章から重要なポイントを抜き出して、短くまとめることも得意です。

たとえば、日中の記録が複数ある場合、その内容をAIに読み込ませて「本日の状態変化を中心に要約してください」と指示すれば、必要な情報を整理できます。

また、長期間の記録から特定の情報を探すことも可能です。「〇月〇日の食事量を教えて」と指示すれば、わざわざ自分で検索する手間を省けます。

ケアマネジャーや管理者が利用者の状態を振り返る際など、大量の記録を一つずつ読み返す負担を減らす手段として活用できるでしょう。

音声から介護記録を作成する

音声入力とAIを組み合わせれば、キーボードで一から介護記録を入力する手間も減らせます。

たとえば、ケアの内容を音声で入力し、その内容をAIに介護記録として読みやすい文章へ整えてもらう方法です。「パソコン入力は苦手だけど、話すのは得意」という職員に向いています。

スマートフォンやタブレットなどを使って記録できる環境であれば、支援してすぐに記録を残しやすいのもメリットです。

記録内容を整理・分類する

AIは文章を作るだけでなく、すでにある介護記録を目的に応じて要約・整理することも可能です。

たとえば、一定期間の記録から「食事」「排泄」「睡眠」などの項目ごとに情報を分けたり、日付順に状態の変化を整理したりする使い方です。

利用者さんの記録が増えてくると、必要な情報を探すだけでも時間がかかります。AIを使って情報を整理できれば、モニタリングやケア内容を見直す際の情報収集を効率化できるでしょう。

申し送りや報告文の作成を補助する

介護現場では、介護記録とは別に、申し送りや事故報告、家族への報告などの文章を作成することもあります。

AIを使えば、すでに記録した内容から必要な情報を抽出し、用途に合わせた文章のたたき台を作成できます。たとえば、複数の記録から夜勤者に伝えるべき内容だけを整理する、といった使い方も可能です。

同じ内容を何度も別の文章に書き直す作業を減らせるため、記録そのものだけでなく、介護現場における周辺業務の効率化にも役立つでしょう。

介護記録にAIを活用するメリット

AIによるメリットは、介護記録の作成や要約、情報整理などを効率化だけではありません。職員の負担軽減やケア時間の確保など、介護現場全体にもメリットが期待できます。

記録業務による職員の負担を軽減できる

AIによって文章作成や要約などを効率化できれば、職員が介護記録に費やす時間や手間を減らせます。

介護現場では、排泄介助や食事介助、シーツ交換などの業務をしながら記録も残さなければなりません。時間に余裕がないため記録を後回しにして、結局残業して記録することもあります。

記録業務を効率化できれば、こうした負担を減らし、勤務時間内に業務を終えやすい環境づくりにもつながります。

職員による記録のばらつきを抑えやすくなる

介護記録は、同じ出来事でも職員によって文章の長さや表現、記載する情報にばらつきが生じます。

たとえ事業所で「簡潔に事実を記載する」「食事・排泄・状態変化を一定の形式で整理する」など、記録のルールを明確にしても、なかなか記録のばらつきはなくなりません。しかし、AIを活用すれば、表現や形式などを統一するのは簡単です。

とくに職員数が多く、さまざまな人が記録する施設では、情報の質を一定に保つためのツールとしてAIを活用できます。

利用者さんと関わる時間を確保しやすくなる

介護記録にかかる時間を減らすことで、利用者さんと関わる時間を確保しやすくなることもAI活用の大きなメリットです。

情報を記録することは大切ですが、介護の本来の目的は、利用者さんの生活を支えることです。

AIによって記録業務を効率化できれば、会話や見守り、ケアなどに時間を使いやすくなります。記録の効率化は、業務時間の削減だけでなく、利用者さんと関われる時間を増やす取り組みともいえるでしょう。

施設全体の業務効率化につながる

AI活用によるメリットは、一人の介護職が記録を早く書けるようになることだけではありません。

たとえば、1人あたり1日10分の記録時間を削減できれば、20人の職員では単純計算で1日200分になります。実際の削減時間は業務内容や活用方法によって異なりますが、職員数が多いほど小さな時短の積み重ねが施設全体に大きなメリットをもたらします。

管理者や経営者にとっても、AIによる介護記録の効率化は、業務改善を考えるうえで検討する価値ある取り組みです。

【介護職の実体験】介護記録にAIを使うとどこまで時短できる?

私は介護職として20年近く働いてきましたが、そのなかでも「もっと効率化できないかな」と何度も感じていたのが介護記録です。

とくに有料老人ホームで働いていた頃は、利用者さんの対応をしながら簡単なメモを残し、時間ができたタイミングで記録を入力することがよくありました。

ただ、いざ記録しようとすると、

  • 「これ、どういう文章にしようかな」
  • 「どこまで書いておいたほうがいいかな」
  • 「さっきの対応、何時だったっけ?」

と考える時間が意外とかかります。

しかも、記録を書いている途中でナースコールが鳴れば、当然そちらの対応が優先です。戻ってきて、また続きを書く。現場でそんなことを何度も経験してきました。

では、当時のような介護記録の作成にAIを使ったら、どこまで時短できるのか。

今回は私自身の介護現場での経験をもとに、AIを使わない場合と使った場合の違いを紹介します。

※なお、実際の利用者さんの個人情報は使用せず、記録内容なども一部変更しています。

AIを使わず介護記録を作成した場合

僕が現場で記録を書くときは、支援中に残した簡単なメモを見ながら、あとで文章にすることがよくありました。

たとえば、以下のようなメモです。

  • 昼食8割
  • 水分200ml
  • 食後トイレ誘導、排尿あり
  • 立ち上がり時に少しふらつき
  • 「ちょっと足に力が入らん」
  • 居室まで付き添い
  • ベッドで休む
  • 30分後に確認、変化なし

当時の私は、このメモを見ながら、

昼食8割、水分200ml摂取される。食後トイレへ誘導し排尿あり。立ち上がり時にややふらつきがみられ、「ちょっと足に力が入らん」との発言あり。居室まで付き添い、ベッド上で休んでいただく。30分後に訪室し様子を確認するも、大きな状態変化はみられなかった。

といった形で記録していました。

これくらいなら、介護職を長くやっている人であれば、それほど難しい記録ではないと思います。私自身も記録を書くこと自体に苦手意識はありませんでした。それでも、ある程度の時間はかかります。

メモを見ながら出来事を思い出して、時系列を整理して、文章を考えて入力する。これが1件なら数分でも、何人分も重なると結構な時間になります。

勤務終了時間が近づいているのに記録が残っていて、「あとこれとこれを書かないと帰れないな……」ということは何度もありました。

今振り返ると、介護記録では「文字を入力すること」以上に、頭のなかにある情報を整理して文章にすることに時間を使っていたと思います。

AIを使って同じ介護記録を作成した場合

現在私は、仕事でも生成AIを使っています。主に個人で行なっているメディア事業です。

そこで感じたのが、「これを当時の介護記録で使えていたら、かなり楽だっただろうな」ということです。

実際に、先ほどのようなメモをAIに入力して、

「介護記録として簡潔にまとめて。メモにない情報は追加しないで」

と指示すると、数秒で以下の記録ができます(添付画像のような形で)

他にも追記事項があれば、その情報もAIに指示することで、より充実した記録作成が数秒で作成できます。

私が実際に使ってみて一番大きいと感じたのは、入力速度よりも文章を考える時間を減らせることでした。

ゼロから、

  • 「どう書こう?」
  • 「この順番でいいかな?」
  • 「もう少し簡潔にしたほうがいいかな?」

と考えなくていい。

起きたことを箇条書きにしてAIに渡し、出てきた文章を自分で確認して修正する。このやり方であれば、介護現場における記録業務が圧倒的に楽になります。

また、AIには人間のようなうっかりミスがほとんどないので、誤字脱字や間違った日本語で記録するエラーを減らせるのも魅力です。

介護現場で働いていた頃を振り返っても、記録そのものが嫌だったというより、忙しい業務の合間に文章を考えなければならないことが負担でした。

だから、当時AIがあって、この使い方ができていたら、記録に使っていた時間はかなり減らせたと思います。

もちろん、AIが作った文章をそのまま記録するわけではありません。最後に内容を確認するのは必ず人間になります。

それでも、「ゼロから文章を書く」のと「AIが作った文章を確認・修正する」のでは、私自身かなり負担が違うと感じています。

実際に使って感じた「AIに任せられること・任せられないこと」

介護職として働いてきた経験と、実際に生成AIを使っている今の経験を両方踏まえると、私は介護記録のすべてをAIに任せるべきだとは思っていません。

AIに任せやすいのは、以下のような文章化です。

  • 箇条書きを文章にする
  • 時系列を整理する
  • 長い文章を簡潔にする
  • 読みやすい表現に整える

逆に、AIには任せられないと思っているのが、利用者さんを見て、何を記録するべきか判断することです。

介護現場で長く働いていると、

  • 「今日はいつもより歩くのが遅いな」
  • 「なんとなく表情が違うな」
  • 「食事量は変わらないけど、いつもより食べるのに時間がかかっているな」

みたいな変化に気づくことがあります。こういう部分は、実際にその場にいる介護職だからわかります。AIにはわかりません。

AIが知っているのは、自分たちが入力した情報やネット上の情報だけです。だから私は、「何を記録するかは介護職が判断する」「どう文章にするかはAIに手伝ってもらう」といった使い方が、現時点では一番有効だと感じています。

それと、実際にAIを使っていて怖いと感じる部分もあります。

AIは、こちらが入力していないことまで「それっぽく」補って文章にすることがあります。介護記録では、これは絶対に避けなければいけません。

私自身、AIが作った文章については「本当に自分が入力した事実だけで作られているか」を必ず確認するようにしています。

介護記録は、文章がきれいであることよりも、実際に起きたことが正確に残っていることのほうがはるかに重要だからです。

私は介護現場で20年近く働いてきて、記録・申し送り・会議資料など「文章を作る仕事」にかなりの時間を使ってきました。

だからこそ、生成AIを使い始めたときに、「これ、現場にいたときに欲しかったな」と思いました。

AIに介護を任せたいわけではありません。むしろ逆です。AIに任せられる作業はAIに任せて、人にしかできない介護にもっと時間を使う。

私の介護職経験から考えると、介護現場で生成AIを使う一番のメリットは、ここにあると思っています。

介護記録にAIを活用する具体的な方法

介護記録にAIを活用するといっても、難しい操作が必要なわけではありません。

基本的には「現場で残したメモを入力して、介護記録として整えてもらう」というシンプルな使い方です。

ここではChatGPTを例に、介護記録の作成や要約、文章の修正などに使える具体的な方法を紹介します。

なお、実際にAIを使用する場合は、氏名・住所・生年月日など、利用者を特定できる個人情報を安易に入力しないことが大前提です。勤務先のルールも確認したうえで活用してください。

介護記録を作成するプロンプト例

介護記録をAIに作成してもらうとき、私がとくに重要だと思っているのが「メモにない情報を追加しない」と指示することです。

たとえば、ChatGPTに以下のように入力します。

【プロンプト例】

  • 以下のメモを介護記録として簡潔にまとめてください。
  • 客観的な事実を中心に記載し、メモにない情報は追加しないでください。
  • 利用者の発言は「」を使い、発言内容を変更せずに記載してください。

このように条件を指定しておけば、単に「介護記録を書いて」と依頼するより、自分が求める形式に近づけやすくなります。

「メモにない情報は追加しない」という指示は必ず入れましょう。AIが文章を自然に整える過程で、実際には確認していない内容まで補足してしまうのを防ぐためです。

箇条書きのメモから記録を作成する方法

介護現場では、支援をしながらその場で長い文章を書くのが難しいこともあります。

私自身も、まずは忘れないように要点だけをメモしておき、あとから記録として文章にまとめることがありました。

たとえば、入浴介助の場面で以下のようなメモを残したとします。

【入力するメモ】

  • 14:00 入浴の声かけ
  • 「今日は風呂は入らん」と拒否
  • 無理に勧めずいったん退室
  • 14:30 再度訪室
  • 「着替えだけでもどうですか」と声かけ
  • 「それならええよ」と返答
  • 脱衣所まで一緒に移動
  • 脱衣後「せっかく来たから入る」と本人から発言
  • 入浴実施
  • 洗身・洗髪は一部介助
  • 入浴後「さっぱりした」と笑顔あり

このようなメモと一緒に、

以下のメモを介護記録として簡潔にまとめてください。客観的な事実を中心に記載し、メモにない情報は追加しないでください。利用者の発言は「」を使い、内容を変更せず記載してください。

とChatGPTに入力します。

すると、以下のような文章にまとめられます。

【ChatGPTの出力例】

14:00、入浴の声かけを行うも「今日は風呂は入らん」と話され、入浴を拒否された。無理に勧めず一旦退室する。14:30に再度訪室し、「着替えだけでもどうですか」と声をかけると「それならええよ」と返答あり。脱衣所まで一緒に移動する。脱衣後、本人より「せっかく来たから入る」との発言があり、入浴される。洗身・洗髪は一部介助にて実施。入浴後は「さっぱりした」と笑顔で話される。

このように、支援中は「拒否あり」「30分後に再度声かけ」「入浴実施」など、要点だけをメモしておき、あとからAIに文章として整理してもらう使い方ができます。

忙しい時間帯にその場で記録を完成させようとせず、時間・利用者の発言・職員の対応・その後の様子をメモしておけば、AIを活用し、時系列に沿った記録にまとめられます。

また、手書きしたメモをスマートフォンなどで撮影し、その画像データをAIに読み込ませて記録としてまとめることも可能です。メモの内容をあらためて入力する手間を省けるため、私はこうした使い方も記録業務の時短につながると感じています。

ただし、利用者の氏名や生年月日など、個人を特定できる情報が含まれたメモを、そのままAIに読み込ませないよう注意してください。施設や法人のAI利用ルールを確認したうえで、個人情報を含まない形で活用しましょう。

申し送り用に記録を要約する方法

長くなった介護記録から、次の勤務者に伝えるべき内容だけを整理する使い方もできます。

たとえば、先ほど作成した記録をChatGPTに入力して、以下のように指示します。

【プロンプト例】

以下の介護記録を、次の勤務者へ口頭で申し送る形にまとめてください。
利用者の状態変化、発言、対応、その後の様子がわかるように、簡潔な話し言葉にしてください。記録にない情報は追加しないでください。

=======

昼食8割摂取、水分200ml摂取。食後トイレへ誘導し、排尿あり。立ち上がり時にややふらつきあり、「ちょっと足に力が入らん」との発言あり。居室まで付き添い、ベッドで休まれる。30分後に確認するも変化なし。

=======

出力例は、以下のようになりました。

【ChatGPTの出力例】

「〇〇さんですが、昼食後にトイレへ行かれた際、立ち上がりで少しふらつきがありました。そのとき『ちょっと足に力が入らん』と話されています。居室まで付き添ってベッドで休んでもらい、30分後に様子を確認しましたが、特に変化はありませんでした。次の勤務でも、立ち上がりや歩行時の様子を確認してもらえればと思います。」

このように指示すれば、記録を短くするだけでなく、実際の申し送りでそのまま話せる形に整えることも可能です。

とくに複数の利用者を申し送る場合は、一人ひとりの長い記録を読み返して「何を伝えるか」を整理する必要があります。AIを活用すれば、記録の中から申し送りに必要な内容を整理する作業の負担を減らせます。

記録を修正・読みやすくする方法

すでに自分で作成した介護記録を、AIに読みやすく整えてもらうことも可能です。

たとえば、急いで記録して以下のような文章になったとします。

【修正前】

昼食後トイレ行くため立ってもらったらふらつきあり。本人も足に力が入らないと言われたのでトイレ後部屋まで一緒に行ってベッドで休んでもらった。30分後見に行ったけど特に変わりなかった。

この文章をChatGPTに入力し、以下のように指示します。

【プロンプト例】

  • 以下の介護記録を、内容を変えずに読みやすく修正してください。
  • 事実と利用者の発言がわかる文章にしてください。
  • 元の文章にない情報は追加しないでください。

出力例は、以下のとおりです。

【ChatGPTの出力例】

昼食後、トイレへ移動するため立ち上がった際にふらつきあり。「足に力が入らない」との発言あり。トイレ後、居室まで付き添い、ベッドで休まれる。30分後に様子を確認したが、変化なし。

私自身、AIは「介護記録そのものを任せるもの」というより、自分が確認した事実を文章に整えたり、必要な情報を整理したりする補助ツールとして使うのが現実的だと感じています。

介護記録の最終的な責任までAIが負ってくれるわけではありません。だからこそ、「AIに書かせて終わり」ではなく、現場を知っている介護職が最後に内容を確認する。この使い方がおすすめです。

介護記録にAIを安全に活用・定着させるポイント

AIによる介護記録の効率化を成功させるには、ツールを導入するだけでは不十分です。自分が働く施設の合った使い方とルールを整え、職員が安全に活用できる環境をつくりましょう。

AIを導入する目的と利用範囲を明確にする

まずは、「何のためにAIを使うのか」を明確にしましょう。たとえば、記録業務の効率化であれば、記録文のたたき台作成・申し送りの要約・過去記録の整理など、負担が大きい業務から始めるのがおすすめです。

一方で、利用者さんの状態判断やケアの方針決定までAIに任せることはできません。AIに任せる作業と、職員が判断・確認する作業を分けておくことで、活用の目的がぶれにくくなります。

個人情報・機密情報を入力しないルールを決める

生成AIに利用者さんの氏名・住所・連絡先・詳細な病歴などを入力すると、情報漏えいにつながるおそれがあります。個人を特定できる情報は入力しないことを原則とし、必要に応じて「Aさん」「80代女性」といった架空の内容に置き換えましょう。

また、使用できるAIツールや入力してよい情報の範囲を、事業所内で明文化することも欠かせません。管理者だけで決めず、現場職員にも共有し、安全にAIを活用しましょう。

AIが生成した内容をそのまま使わず、事実確認を行う

AIはもっともらしい文章を作成できますが、実際には起きていない出来事や、不正確な表現が含まれることがあります。そのため、AIが作成した記録をそのまま転記するのは避けたほうがいいでしょう。

実際に支援した職員が、食事量・排泄状況・表情・状態変化などの事実と照らし合わせ、内容を確認・修正したうえで記録に反映することが大切です。たとえAIが考えた文章でも、最終的な記録の責任は、AIではなく職員にあります。

現場で使える活用方法を共有し、研修でAIスキルを高める

AIを介護記録に活用するには、「どの業務で、どのように使うのか」を職員間で共有することが大切です。たとえば、箇条書きのメモから記録文を整える、複数の記録から申し送り事項をまとめるなど、現場で使いやすい方法を具体的に示しましょう。

ただし、使い方を共有するだけでは、職員全員が安全かつ効果的に活用できるとは限りません。AIへの指示の出し方や、生成された文章の確認方法、個人情報を扱わないための判断など、基本的なスキルも必要です。

一部の職員だけが使える状態では、業務効率化の効果は施設全体に広がりません。介護記録の負担を継続的に減らすためには、AIに関する研修を実施し、職員のAIスキルを底上げしていくことが重要です。

介護記録の効率化には職員のAIスキル向上も重要

AIを導入しても、職員が使い方を理解していなければ、介護記録の効率化にはつながりません。「何を入力すればよいか」「どこまでAIに任せてよいか」が分からないままでは、かえって確認や修正に時間がかかることもあります。

大切なのは、現場でよくある記録場面に合わせて、具体的な使い方を共有することです。たとえば、箇条書きのメモから記録文を作る方法や、申し送り用に要点をまとめる方法を職員全員で学べば、AI活用の効果を得やすくなります。

同時に、個人情報を入力しないこと、AIが作成した文章を必ず確認することなど、安全に使うためのルールも欠かせません。研修を通じて職員のAIスキルをそろえることが、記録の質を保ちながら、利用者さんと向き合う時間を増やす第一歩になります。

こうした現場でのAI活用を学ぶ選択肢として、株式会社光サプライズでは、介護・福祉の実務に特化した生成AI研修を実施しています。

研修はオンラインで2日間・12時間。介護記録やケース記録の作成・要約、個別支援計画、申し送り、ご家族への案内文など、日々の業務で使える内容を実践的に学べます。

助成金を活用できる場合は、中小企業なら1人あたり実質88,000円で受講可能です。AIを単なる便利なツールで終わらせず、現場全体の負担軽減とケアの質向上につなげたい事業所は、研修の活用を検討してみるとよいでしょう。

私は運営する「かいご職TV」でも、わかりやすく紹介しているので、こちらも合わせてご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=YZ9ggCpdEBQ

研修内容や費用、助成金に関する詳細は、株式会社光サプライズへお問い合わせください。その際は、「津島武志が運営する介護士の転職コンパスを見た」とお伝えください。研修に関するお問い合わせとして、担当者がスムーズにご案内できます。

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株式会社光サプライズ

〒869-0521
熊本県宇城市松橋町浦川内235-1

TEL:0964-27-9998
FAX:0964-27-8777
メール:ueno@hikari-surprise.co.jp
Webサイト:https://www.hikari-surprise.co.jp/
研修紹介動画:https://youtu.be/9aevu894_rI
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まとめ|AIを活用して介護記録の負担を減らそう

まとめ

介護記録にAIを活用すれば、箇条書きのメモから文章を整える、長い記録を要約する、申し送り用の情報を整理するなど、日々の記録業務を効率化できます。その結果、記録業務の負担が軽減し、利用者さんと関わる時間を確保しやすくなるメリットがあります。

一方で、AIは介護職に代わって現場の状況を把握し、判断できるツールではありません。また、AIは個人情報を入力してよいかどうかを適切に判断できるわけではないため、AIが作成した内容は必ず確認したうえで、記録に反映することが大切です。

まずは、文章のたたき台づくりや記録の要約など、取り入れやすい業務から試してみましょう。現場に合ったルールを整え、職員が安全に使える環境をつくれば、AIは記録の負担を減らし、よりよいケアを支える心強いツールになります。

執筆者・監修者のshima(津島武志)について

ABOUT ME
shima(津島武志)
介護経験20年の介護士ライターです。日本福祉大学出身で、主な保有資格は介護福祉士・介護支援専門員・社会福祉士など。介護業界で6回の転職を経験し、さまざまな介護施設を渡り歩いてきました。その間に管理職や採用担当、転職サポーターなどの業務を経験。当ブログでは、介護職や転職経験を通じて感じたことや、過去の自分が悩んでいたことを読者の皆様に役立つ形で発信しています。介護職としての働き方に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。