介護職の収入アップに重要な資格。取得することで手当がもらえることはなんとなく知ってるけど、具体的にいくらもらえるかわからない人は多いのではないでしょうか?
資格手当の金額は、施設によってバラバラです。同じ資格でも、資格手当がある場合とない場合もあります。
資格手当は、介護職にとって大きな収入源のため、実際にいくらもらえるか知ることは、資格取得に向けたモチベーションアップにもつながるでしょう。
本記事では、介護業界16年間で私が実際にもらった資格手当の金額を公開しながら、介護資格の手当一覧表を作成していきます。ぜひ、転職時などの参考にしてください。
介護職の主な資格を簡単に紹介
介護職が主に取得している資格は、主に以下の4つです。それぞれの特徴を簡単に紹介します。
資格名称 | 特徴 |
介護職員初任者研修 | ・介護の基礎が学べる ・介護初心者におすすめ ・最短1ヶ月で取得できる |
実務者研修 | ・実践的な介護スキルが学べる ・介護福祉士の受験要件になっている ・サービス提供責任者の仕事ができる |
介護福祉士 | ・介護職唯一の国家資格である ・この資格があれば転職で有利になる ・実務経験3年や養成施設卒業など受験までが大変※ |
介護支援専門員(ケアマネジャー) | ・ケアプランの作成業務ができる唯一の資格 ・介護福祉士とあわせるとキャリアアップに有利 ・5年ごとに更新研修を受ける必要がある |
※参考:介護福祉士国家試験|社会福祉振興・試験センターホームページ
介護職の資格手当一覧【表でわかりやすく解説】
介護職の資格手当を表でまとめました。ここで紹介しているのは、実際に私が経験してきた施設の資格手当をもとに紹介しています。
資格名称 | 資格手当(相場) |
介護職員初任者研修 | 3,000円〜5,000円 |
実務者研修 | 5,000円〜8,000円 |
介護福祉士 | 8,000円〜1万5千円 |
介護支援専門員(ケアマネジャー) | 5,000円〜1万円 (ケアマネ業務に就く場合は2万〜3万円もらえるところもある) |
社会福祉士・精神保健福祉士 | 5,000円〜1万円 |
認知症ケア専門士 | 5,000円〜1万円 |
※ここに表記されている金額はあくまで私の経験から換算したものです。資格手当は明確な決まりがなく施設によって異なるため、入社前に必ず確認しておきましょう。
それぞれの詳しい手当事情も見ていきましょう。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修の資格手当の相場は、3,000円くらいです。私が経験した施設でも、ほとんどの施設で3,000円でした。
介護職員初任者研修は、資格手当を目的とするよりも、介護現場で働けるスキルがあることを証明するものです。中には手当がない場合もあるため、資格手当はおまけみたいなものだと思っておきましょう。
実務者研修
実務者研修は、初任者研修よりもさらに専門的かつ実践的なスキルを学べるため、やや高めの5,000円くらいが相場になっています。
こちらの資格も初任者研修同様に、資格手当を目的にするよりも、キャリアアップのために必要だと割り切るくらいでいいでしょう。なぜなら、介護福祉士国家試験の受験要件になっているからです。将来ステップアップするための資格ですね。
介護職員初任者研修と実務者研修どちらを取得しようか悩んでいる方は、以下の記事を参考にしてください。
介護福祉士
介護福祉士は介護職唯一の国家資格であるため、資格手当の桁も増えて1万円以上が相場です。介護福祉士があれば、介護リーダーや相談員、管理職などへのキャリアアップにもつながります。そのため、資格手当以外でも収入アップも期待できるでしょう。
ここで注意してほしいが、介護福祉士の資格手当をもらう場合、これまで紹介した2つの資格手当はもらえないという点です。基本的に【介護職員初任者研修<実務者研修<介護福祉士】といったように、資格手当の優先順位が決まっています。
介護支援専門員(ケアマネジャー)
ケアマネジャーは介護業務の直接的な資格ではないため、介護職の場合は資格手当がもらえない場合もあります。私の経験した施設では、介護職でもケアマネの資格手当として1万円が支給されていました。
ただ資格手当が支給されなくても、資格を取得したことが評価され基本給のランクに反映してくれる施設もあります。腰痛や体力的な問題など、介護現場で働けなくなった際にケアマネとして働ける保険効果もある資格なので、取っておいて損はないでしょう。
社会福祉士・精神保健福祉士
社会福祉士と精神保健福祉士は、福祉全般の資格であり介護職に直接活かせる資格ではありません。しかし、社会福祉士を取得するまでに、多くの福祉に関する科目を学ばなければいけません。そこは施設や他職員からの評価につながります。
私は社会福祉士を取得したので、資格手当として5,000円もらっていましたが、正直介護現場で活かせる資格かと言ったら疑問です。収入アップを目的とするのであれば、この2つの資格は必要ないかなというのが、私の個人的な意見です。
認知症ケア専門士
認知症ケア専門士の資格手当をもらえる施設は多くはありません。私が働く施設では認知症ケアに力を入れており、1万円の資格手当をもらえましたが、これまで経験した6つの施設で1つだけでした。
認知症ケア専門士は試験会場も少ないことや科目ごとの受験など、いろいろとややこしい試験内容です。さらに5年ごとの更新制のため、手当がもらえないのであれば正直割にあいません。こちらも、収入アップを目的にするなら、取得しないほうがいいでしょう。
介護職の資格は最低限なにが必要?結論2つでOK
介護系の資格には、これまで紹介した以外にもさまざまな種類があります。すると「何を取ればいいの?」と思う人もいるでしょう。
結論から言うと「実務者研修」と「介護福祉士」の2つを取得すればOKです。
理由は以下の3つ。
- 介護福祉士を取るためには実務者研修が必要だから
- 介護系のトップ資格が介護福祉士だから
- 介護福祉士を取得すれば介護業界での高収入は実現できるから
したがって、あくまで個人的な意見ですが、 介護福祉士の取得を目指している人は介護職員初任者研修は必要ないと思っています。
また収入面やキャリアアップの面で考えても、介護福祉士さえあれば十分です。
私の場合、介護福祉士以外に、介護支援専門員(ケアマネジャー)と社会福祉士の資格を持っていますが、介護福祉士だけでも給料に大きな差は生じないでしょう。
スキルや知識は抜きにして、収入とキャリアの面のみを求めるなら「実務者研修」を取得して「介護福祉士」の国家試験に合格すればOKです。
資格取得をきっかけにさらに給料を上げる方法
あらたな資格取得を機に、手当をもらう以上に給料を大きく上げる方法があります。その答えは「職場を変えること」です。
資格に対する評価は、施設によってさまざまです。たとえば以下のように、施設によって介護福祉士に対する評価が異なることがあります。
A施設の場合 | ・資格手当が1万5千円 ・そのほかの待遇改善はとくになし ・年収380万円ほど |
B施設の場合 | ・資格手当が1万円 ・基本給2万円アップ ・処遇改善加算の割合も増加し年収50万以上アップ ・年収450万円ほど |
このように介護福祉士保有者で仕事内容が同じでも、職場が違うだけで給料に差が生じるのが介護業界の現実です。
そのため、新たな資格を取得した際は、転職活動をしてみて他施設の自分自身への評価を確かめてみるといいでしょう。実際に転職するかどうかは、最終的に自分が決めることなので、良い評価をもらえるのであれば、転職を検討すればOKです。
転職する際はエージェントを活用して、給与をはじめとした待遇面の交渉をしましょう。私も以下の転職エージェントを利用し交渉に成功したので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
今回は多くの介護士さんが気になっているであろう「資格手当」について解説しました。資格手当の金額については明確な決まりがないため、施設によって差があるのが現状です。
そのため資格を取得したら、まずは自分のことを最大限評価してくれる施設と出会うために、転職活動をしてみましょう。
また「どういった資格を取ればいいの?」という疑問を持つ介護士さんは、とりあえず「介護福祉士」を目指すことをおすすめします。